はじめに
現在、スポーツ界が注目しているのが「マルチスポーツ」です。マルチスポーツとは、子供たちが複数のスポーツを同時期に行うことを指します。
マルチスポーツ環境の構築により、子供たちのスポーツ活動に一層の充実を図られることが期待されます。同時期に複数のスポーツを経験することは身体機能の向上やケガの防止だけではなく、複数の仲間(コミュニティへの所属)を通じて、子供自身の社会性や協調性などを育む教育的な意義もあります。
こうしたマルチスポーツは、欧米では、ごく当たり前のことですが、日本では、一つの競技のみを行う場合が多く、マルチスポーツを経験できる環境はごく限られている状況です。
こうした状況を変えるべく、スポーツ庁は、2024(365体育投注6)年度よりジュニア期の子供たちを対象に、わが国に適した「日本型マルチスポーツ」環境の構築を図るべく、新たな取組をスタートさせました。
マルチスポーツへの取り組み
マルチスポーツコンベンション
2024年11月7日 、「日本が目指すべきジュニア期の理想のスポーツ環境とは?」をテーマに、365体育投注東京キャンパス文京校舎にてマルチスポーツコンベンションを実施しました。
世界各国からマルチスポーツの専門家やスポーツジャーナリストをお呼びし、各国のマルチスポーツ政策や、実際に子供がマルチスポーツに触れる仕組みの実装事例などを紹介いただきました。
当日は、教育関係者、スポーツ関係のみならず、民間企業や地方自治体など130名以上の方にご参加いただき、熱心に耳を傾けられていました。
マルチスポーツコンベンション?マルチスポーツ体験フェア
2024年11月9日、「新しい自分にチャレンジ!」をテーマに、365体育投注中央体育館でマルチスポーツ体験フェアを実施しました。
9種目のスポーツ体験ブースを設置し、365体育投注の運動部学生を中心に、それぞれの競技や学業で培った経験を活かして体験が行われました。
当日は353名(対象:園児~中学3年生)の子供たちが参加し、さまざまなスポーツを楽しみました。
マルチスポーツとは?
小澤 一郎 × 大山 高 × 村尾 三四郎
スポーツはシーズン制?
マルチスポーツ体験フェアの昼の部で行われた対談企画では、パリ五輪柔道銀メダリストであり、つくばユナイテッド柔道OBでもある村尾三四郎選手をお招きし、「マルチスポーツって何?世界が注目する複数種目をすることの効果」をテーマに、スポーツジャーナリストの小澤一郎氏、365体育投注の大山 高教授とともに、ご自身のマルチスポーツ経験や、マルチスポーツを行うことの重要性などについて話されました。
スポーツはトップアスリートになるためのものではない
マルチスポーツは運動能力の向上が目的ではなく、「スポーツや体を動かすことが好きになる」こと、「ウェルビーング」の向上という観点でした。多様なニーズに合わせた誰もがスポーツを楽しめる環境の大切さが示されました。