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365体育投注国際統合睡眠医科学研究機構とアリナミン製薬、共同研究を開始
国立大学法人 365体育投注(所在地:茨城県つくば市、学長:永田 恭介、以下「365体育投注」)の国際統合睡眠医科学研究機構(所在地:茨城県つくば市、機構長:柳沢 正史、以下「IIIS」)と、アリナミン製薬株式会社(本社:東京都千代田区、以下「アリナミン製薬」)は、「疲れと睡眠の関係、および抗疲労成分の効果」に関する共同研究プロジェクトを2024年9月から開始いたします。
IIISは、睡眠覚醒制御機構や睡眠の神経科学的機能の解明を目指し、基礎から臨床までを網羅する世界トップレベルの睡眠医科学研究拠点であり、柳沢 正史 教授が機構長を務めています。これまでの研究により睡眠恒常性を司る遺伝子やレム睡眠を制御する神経機構を解明し、モチベーションや運動と睡眠のかかわりについても探ってきました。睡眠の重要な生理的機能の一つが疲労回復であることはよく知られていますが、実は疲労と睡眠の神経科学的な相互作用やメカニズムについてはまだ十分に理解されていません。今回のアリナミン製薬との共同研究がこの謎を解明するきっかけとなり、新たな効率的な疲労回復法へつながることを期待しています。
アリナミン製薬は、「明日の元気を変えていく」というコーポレートメッセージのもと、「疲れ」のメカニズムやアリナミン製品に配合している「抗疲労成分フルスルチアミン」の作用機序に関する研究を行ってきました。これまでに、フルスルチアミン投与後の脳への移行性や脳内で神経伝達物質ドーパミンの放出が高まること※1が明らかになっています。また生活者へのインタビューを通じ、疲れや「明日の元気」に関するお悩みをリサーチしてきました。その中で、「疲れると眠くなる」という現象がある一方、過労により「疲れすぎると眠れない」という声があることに着目。「適度な疲れは睡眠によい影響を与え、一方で極度の疲れは睡眠によくない影響を与えるかもしれない。自分の疲労状態を認識し、対処をしていくことが、よい睡眠につながるのでは」と仮説を立て、疲れと睡眠の関係についてIIISとの研究に着手しました。
共同研究期間は3年間を予定しており、初年度は被験者に様々な運動を負荷した際の疲労状態と睡眠への影響に着目し、研究を進める予定です。また2年目以降には疲れによって睡眠の質が低下してしまう場合に、抗疲労成分フルスルチアミンがどのような効果を発揮するか、そのメカニズムを詳細に検証していく予定です。
柳沢 正史 機構長に加え、体育系の教授でありIIISでは睡眠に関する研究を行っている大藏 倫博 教授、小久保 利雄 IIISハイクラス?リサーチ?アドミニストレーターを始めとする研究チームが、研究を進めていきます。
柳沢教授および大蔵教授によると、「睡眠と疲労は、詳細なメカニズムが解明されていなかったり、自覚的な指標と他覚的な評価結果が一致しにくい(自分では認識しづらい)、といった共通点があり、似た者同士。疲れがどのように睡眠に影響をするのか、「よい睡眠につながる、疲れの対処法」などを解明し、社会実装につなげていく、重要なプロジェクトになる」とのことです。