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柳沢正史教授が第23回慶應医学賞を受賞
柳沢教授の受賞者挨拶より
現代の生命科学研究は、一人、二人でできることは非常に限られており、チームワークが非常に大切です。今日までの私の研究を支えてくれた研究室のメンバーや、共同研究者の方々に深く感謝申し上げます。皆さんを代表して、このような名誉な賞をいただけたことを大変光栄に思います。私は科学者としては、予め仮説を立てない探索研究を自らのスタイルとして追求してきました。探索研究とはつまり、研究の最終的な着地点がどこへ向かうかわからないものです。今回審査委員の先生方に評価いただいた私の受賞研究テーマ「睡眠制御機構の解明と創薬への応用」についても、研究の当初から意図していた道筋ではありませんでした。オレキシンを発見した時には、睡眠との関連など予想だにしていませんでしたし、創薬への応用を狙っていたわけでもありません。私は「出口」がわからない研究こそが本物のサイエンスであると思っています。意義ある研究を成し遂げるためには、20年後30年後を見据えたサポートが必要です。今後も、安易に出口を狙うのではなく、真に自由な視点を持って目の前にある謎を追究し続けたいと思います。
(受賞スピーチ)
(柳沢教授(中央左)の右隣は同時受賞した米マサチューセッツ工科大学のフェン?ジャン教授)