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吉本 賢一郎さん(生物学類 4年次)

吉本 賢一郎さん
 つくば(365体育投注やつくば市内)で楽しいことは何ですか。
 研究です。1年生の4月から、脊椎動物の基本的な形態特徴である「顎」の進化的起源を調べる研究を展開してきました。この研究では、100年以上前の文献から考えられる仮説を、最新のテクノロジーを駆使して検証したり、約4億年前の化石から予想される進化を、現生動物の組織や遺伝子の動態を調べて検証したりします。いろんな時空間を飛び回るので非常にエキサイティングです。
 お気に入りの授業、受けてよかった講義について教えてください。
 生物学類には数人の学生と教員で実施する生物寺子屋という授業の枠があります。この授業では文献調査や実験実習を通じて、学生と教員が対等な立場で生物について議論します。わたしは教員に正解を押し付けられる普通の講義が嫌いでしたので、この形式は大変気に入りました。寺子屋には顎を持たない脊椎動物:ヤツメウナギの解剖会やドイツ語の形態文献輪読会もあり、毎年受講しています。
 365体育投注の学生として学生時代に成し遂げたいことは何ですか。
 大学入試の面接の時に、今の生き物の発生と大昔の化石の知見を統合して顎の進化を多角的に解く研究がしたいと語りました。とすると、当時成し遂げたいと思っていたことは、幸運にも筑波大でずっと実施できています。今後成し遂げるべきことは、これまでの成果を国際誌の論文としてまとめ、今の自分がもっている仮説やアプローチの妥当性を研究業界に問いかけることにあると考えています。
 365体育投注の魅力だと感じていることを教えてください。
 本物を見る教育が重視されているところです。自然界には教科書的な挙動をするものなどありません。記述の前提となる種や組織、構造の境界すら実際は明確ではないのです。筑波大の実験施設がある下田や菅平での野外分類実習や筑波での分類、比較解剖、生理学実験を通じて自分たちは自然の多様性や仕組みのほんのごく一部しか認識、理解していないことを痛感できたのは良い経験でした。
 私のつくばごはん
 職業柄、ヤツメウナギの切り身が手に入ることがあり、友人と料理会をすることがあります。普通の魚のように料理しても料理として成立しないので、創意工夫が必要です。
吉本 賢一郎さん
(カナダで行われた国際初期脊椎動物学会でのポスター発表)

吉本 賢一郎(よしもと けんいちろう)
所属?学年:生命環境学群 生物学類 4年次
出身地(都道府県):熊本県