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荒木 響子さん(生命環境学群 生物資源学類4年次)

人間と自然との関わり見つめて

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荒木 響子さん

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生命環境学群 生物資源学類4年

 高い山を登っていて、ある標高を超えると急に森林が姿を消し、パッと視界が開けることがある。低温などの影響で高木が育たなくなるこの境界線のことを、森林限界と呼ぶ。
 荒木さんの研究対象は、森林限界を構成する代表的な樹種、ダケカンバだ。全国11カ所で種子を採取し、その苗木を本学山岳科学センターの八ヶ岳演習林(標高約1300m)と筑波演習林(同30m)で育てている。
 八ヶ岳はダケカンバの生育に適した気候だが、筑波の平均気温はダケカンバの分布域より約6度高い。2カ所の生育状況を比較すれば、温暖化の影響を推定できる。
 八ヶ岳より筑波での成長量が大きく、気温上昇が必ずしも負の生長反応を示すわけではないことなどを突き止めた卒業論文は今年、「学生森林技術研究論文コンテスト」(日本森林技術協会主催)で同協会理事長賞を受賞した。大学院では、土壌がダケカンバの生長に与える影響を調べるなど、研究の幅を広げている。「受賞は予想していなかった。研究の励みになった」とほほ笑む。
 千葉県流山市で生まれ育った。幼い頃から自然が好きで、漠然と自然に関わる勉強がしたいと考え、隣県にある本学の生物資源学類へ進んだ。森林への興味が湧いたのは大学2年生の夏のこと。友人と北アルプスを3泊4日で縦走し、水晶岳(標高2986m)で森林限界を初めて超える経験をした。森を抜けて見た、どこまでも見渡せそうな景色。その転換に感激し、標高差で植生が変わる森林を学びたいと考えるようになったという。
 小学4年生から高校3年生まで陸上競技に取り組み、高校では400mで千葉県大会にも出場した。「陸上は個人競技なので、自分自信と向き合わざるを得ない。どのような練習がどのような動きにつながるかを常に考えながら、練習していた。研究にも通じるものがあると思う」と振り返る。  旅行も好きで、総務省の地域おこし協力隊のインターンにも何度か参加した。一番印象に残ったのが岐阜県?白川郷だった。冬の花火大会の出店を手伝い、狩猟にも同行するなど地域の人々と交流する中で、人々の暮らしと自然には密接な関係があると実感した。
 現在は「大学院を出たら、森林の専門知識を生かし、地域の歴史や生活を尊重しながら、自然を守る仕事に就きたい」と考えている。
 その名の通り、木と響き合う未来が、彼女の前には広がっているようだ。



後輩にひとこと

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