医療?健康

多職種研修会に参加する薬剤師ほど互いを尊重した自己表現態度が顕著

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(Image by Olena Yakobchuk/Shutterstock)
 アサーティブな自己表現(他者を尊重しつつ率直に自己表現をするコミュニケーションスタイル)は、医療安全の質の向上に有用とされています。本研究では、薬剤師に対するアンケート調査により、多職種研修会に多く参加する薬剤師ほど、アサーティブな自己表現を行う傾向が高いことを見いだしました。

 薬局の薬剤師は、医療専門職として薬の安全な使用を支える重要な役割を果たしています。特に、医師や他の医療従事者と情報を共有する際に、自分の意見や感情を率直に伝えつつ、相手も尊重するコミュニケーションスタイルである「アサーティブな自己表現」が注目されています。本研究チームはこれまでに、アサーティブな自己表現を行う薬剤師ほど、医師への薬物処方に関する提案が受け入れられる頻度が高いことを明らかにしています。そこで今回、アサーティブな自己表現の高い薬剤師に関連する要因をさらに探りました。

 日本の10都道府県で働く薬剤師3,446人を対象にアンケート調査を実施し、年齢、雇用形態、学歴、勤務経験年数、訪問薬剤師の経験、多職種研修会や会議への参加などと、アサーティブな自己表現の程度との関連を分析しました。その結果、961人から回答が得られ、地域の多職種研修会や会議に多く参加している薬剤師ほど、アサーティブな自己表現を行う傾向が高いことが確認されました。この傾向は、他の要因を考慮した後も有意でした。

 本研究により、地域の多職種合同研修会や会議に積極的に参加することと、薬剤師のコミュニケーションスタイルに何らかの関連があることが分かりましたが、今後さらに、因果関係の検証が求められます。

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プレスリリース

研究代表者

365体育投注医学医療系
小曽根 早知子 講師

掲載論文

【題名】
Factors associated with assertiveness among Japanese community pharmacists: A cross-sectional study
(薬局薬剤師のアサーティブな自己表現と関連のある要因の検討)
【掲載誌】
Journal of Pharmaceutical Health Care and Sciences
【DOI】
10.1186/s40780-025-00410-z

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