医療?健康
健康情報取得に用いる媒体がワクチンの接種の意思決定に影響を及ぼす
(Image by Alones/Shutterstock)
堀 大介 助授
新型コロナワクチンの接種が開始される以前、多くの日本人はワクチンを接種すべきか決めかねており、そのような人々の判断が、集団免疫の達成を左右する状況でした。わが国における過去の研究では、健康に関する情報源の種類がワクチン接種意向と関係したと報告されていますが、実際のワクチン接種への影響は不明でした。
そこで本研究では、ワクチンの接種状況と、20種類の情報源の利用との関連性を評価しました。「日本におけるCOVID-19問題による社会?健康格差評価研究(JACSIS)」において収集された、2万人以上の大規模全国アンケート調査によって得られたデータを解析しました。ワクチンの集団接種が開始される前の2021年2月の調査で「様子を見てからワクチン接種したい」と回答した参加者を解析対象とし、全国民がワクチンを接種できるようになった同年9~10月に、実際のワクチンの接種状況と、どのような媒体から健康情報を入手していたかを調べました。
その結果、テレビのニュースから情報を得た人が78.8%だった一方、Facebookは4.0%など、媒体によって利用率に大きな幅がありました。また、情報源が職場?学校や、LINEであった人はワクチン接種率が高く、ネットニュースや動画共有サイトであった人は接種率が低かったことが分かりました。
以上より、健康情報を得る媒体の種類が、新型コロナワクチン接種の意思決定に影響を及ぼしたことが明らかになりました。公衆衛生の専門家らにとって、さまざまな情報源の特性を理解し、適切に活用することが重要であったと示唆されました。
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プレスリリース研究代表者
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