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歴史地理学会 研究奨励賞
生命環境科学研究科 鈴木 修斗
学生?大学院生
鈴木修斗さん(生命環境科学研究科(博士後期課程)地球環境科学専攻2年、指導教員: 生命環境系 呉羽正昭教授)が、歴史地理学会 研究奨励賞を受賞しました。
受賞論文名:鈴木修斗 2018. 近代期の福島県における海外移民送出の展開と帰国後の動向―安達郡石井村のフィリピン移民を事例として―. 歴史地理学,60(2),1-22.
受賞理由:本研究は、東日本において、海外移民の送出形態や渡航後の行動に移民の続柄がどのように影響したかという新たな視点から、「プッシュ―プル理論」や「2国間関係」での説明枠組を超えた、新たな移民研究の枠組からの意欲的な研究である。移民発生に関する従来の歴史地理学研究の説明枠組では十分説明できない移民現象について、その新たな説明枠組を構築する上で貢献する事例研究を示したと評価できる。また、外務省外交史料館、二本松市歴史資料館、国立国会図書館憲政資料室、および個人蔵の文献資料に加えて、丹念な聞き取り調査により、福島県から多数の移民が送出された要因や背景を詳細に分析し、長男と次三男?養子?婿養子で、渡航期間、帰国後の行動や生業が大きく異なっていた等の新たな知見を得た点は貴重である。今後、研究方法をさらに洗練することにより、海外移民の送出を特性とした地域変容を描く歴史地理学の新たな視座が構築できることが期待できる。
研究奨励賞は,「主に若手研究者の研究を奨励するものとし,3年間の選考対象期間中,会誌に掲載された論文の執筆者とする。本項における若手とは,論文掲載時に満40歳未満のものとする。」と規定されています。